現代型不眠とは?

お薬のことなら、くすりエクスプレス

夜ひときわ明るい日本列島

夜間に人工衛星から日本列島を撮影すると、列島の形が明るく浮かび上がるそうです。これは朝鮮半島の北半分とは好対照で、日本の夜が電気の光でこうこうと照らされていることを示しています。

 

しかし、夜も明るくて便利になったのはけっこうなことですが、それが現代人に不眠が増えている一因だと言われています。コンビニは24時間やっているし、スマホでラインもしなれればいけないし、と思って夜更かししているうちに不眠症になってしまうというのです。

深くDNAに刻み込まれた概日リズム

自転によって24時間ごとに昼と夜が交代する地球上で進化してきた生物には、「24時間周期の生理リズム」が深くDNAに刻み込まれています。もちろんに人も例外ではありません。そのリズムはここ数百年来の文明の進歩というような「最近の出来事」で変わるようなものではありません。

 

人の脳の松果体というところにこのリズムを刻む体内時計があると考えられています。この体内時計は朝の光を浴びることでリセットされ、覚醒ホルモンであるセロトニンを分泌します。セロトニンに刺激されて昼間の活発な行動を続けていると、十数時間後には体内時計はセロトニンの分泌を止めて睡眠ホルモンのメラトニンを分泌する指令を出します。

 

しかし夜も明るい光の下で楽しいことや刺激的なことをしていると、メラトニンの分泌が始まりません。午前2時とか、夜明け近くになって眠ろうと思っても、都合よくそこからメラトニンが分泌し出してはくれません。夜更かししている人はたんに睡眠時間を後ろに数時間ずらしただけのつもりでも、体内時計は同調してくれないのです。

夜強い光を目に入れない

夜遅くまでテレビの明るい画面を見続けることや、パソコンの画面を凝視してゲームに夢中になることはとくに、神経を興奮させてメラトニンの分泌を妨げます。

 

メラトニンが不足して夜眠れなくなると、あるいは眠っているつもりでも睡眠の質が落ちていると、覚醒ホルモンのメラトニンの分泌も不足してくるという悪循環が生まれます。これが、昼間ぼんやりしていて仕事の能率が上がらないのに、仕事が終わる時間になると元気になるという「現代型不眠」の典型です。

 

こういう状態が続くと健康に悪いだけでなく、社会的な評価も低くなります。自然な睡眠リズムを取り戻すには、夜はあまり明るい光を浴びないこと、あまり刺激の強い行動は控えてリラックスすることが必要です。

 

なるべく夜寝る前はスマホ、パソコン、テレビなどを見ないことと、加齢やストレスで減少する『メラトニン』を補充することで、深い眠り、途切れない眠りの促進、体内時計の調整などが行われて、質の高い睡眠につながります。

関連ページ

日本人の4割は不眠症?本人が自覚していない不眠症とは
本当はよく眠れているのに「眠れない」と悩むタイプの不眠症もありますが、それよりずっと多いのが、本人にはその自覚がないのに睡眠不足になっている不眠症です。
不眠の原因と改善策は?
ヒトには「概日周期」という約24時間周期の覚醒と睡眠のリズムがあります。このリズムを刻むのが脳内時計で、その指令にしたがって睡眠ホルモン(メラトニン)が分泌されて、私たちを眠りに誘ったり、目覚めさせたりしています。
いびきの原因と病気との関係
いびきは周囲が迷惑なだけでなく、本人の睡眠の質を悪くするというデメリットもあります。また、慢性的なイビキの陰にはバカにできない病気が隠れていることもあります。
市販の睡眠改善薬とメラトニンの違い
ドラッグストアで販売されている「睡眠改善薬」は風邪薬や鼻炎の薬に配合されている抗ヒスタミン剤が主成分です。風邪薬にはよく「服用すると眠くなることがあります」という注意書きがありますがこれは抗ヒスタミン剤の副作用で、「睡眠改善薬」はいわばこの副作用を逆手に取った薬です。
日本人は睡眠時間が短すぎる?睡眠は心身の健康の基本です
毎年3月18日は「世界睡眠デー」と呼ばれているの、知ってましたか?先進国になればなるほど睡眠時間が短くなる傾向がありますが、なかでも日本は世界で韓国に次ぐ、『睡眠時間の短い』国のようです。
体内時計を調整するメラトニンで快眠
夜メラトニンが分泌されると眠くなり、朝セロトニンが分泌されると目が覚める、という「睡眠ホルモン」の話を聞いたことがあると思います。体内時計が正常にはたらいているときは、睡眠や覚醒をうながすこれらのホルモンも正常に分泌されて、1日の快適な生活リズムが刻まれます。
生活習慣病と不眠の関係
睡眠不足が肥満の原因になるという話はお聞きになったことがあると思います。これは睡眠不足が食欲を抑える脳内ホルモンの「レプチン」の分泌を低下させて、食欲を増進する脳内ホルモンの「グレリン」の分泌を増加させるからです。寝不足は過食の傾向を誘発するわけです。
寝不足が原因で糖尿病に?
糖尿病になると神経障害の合併症がでて、寝ているときに足がむずがゆくなる「むずむず脚症候群」になることがあります。
睡眠をつかさどるメラトニンを増やすには?
メラトニンは睡眠ホルモンとも呼ばれ、体内時計に働きかけて身体を覚醒モードから睡眠モードに切り替える働きをしています。私たちは夜になってメラトニンが分泌されることによって、心拍数が減り、脳の体温が下がって、自然な眠りに誘われます。
高齢者が睡眠薬を飲む場合の注意点
眠るのにも体力がいるなどと言われますが、これはあながち冗談ではなく高齢になると睡眠の質が低下して、睡眠障害に悩む人が増えてきます。