発毛を促す成分、ミノキシジルとは?

ミノキシジルは高血圧の薬として開発された血管拡張剤から偶然発見された育毛成分です。頭皮への血行を促進するとともに、毛乳頭と毛母細胞を活性化して発毛と育毛を促進します。

 

発毛外来でもミノキシジルはフィナステリドとともにAGA治療の2本柱になっています。ミノキシジルは外用薬として使用されるほかに、ミノキシジルタブレットのような内服薬としても使用されています。

 

ミノキシジルの外用薬には1%、2%、5%、10%など配合量の違うものがあります。このうち女性も使用できるのは2%までのものです。

 

ミノキシジルはどのように開発されたか

ミノキシジルは1960年代に米国の製薬会社アップジョン社が高血圧の薬として開発したものです。ミノキシジルには血管を拡張する作用があり、この作用が血圧を下げると期待されたのです。しかし血圧を下げる効果は期待されたほどではなく、その代わりに毛髪を濃くするという予想外の「副作用」が注目されるようになりました。

 

そこで同社はミノキシジルを育毛剤として再開発して、1980年代に2%のミノキシジルを外用育毛剤「ロゲイン」として販売開始しました。その後アップジョン社は世界一の製薬会社ファイザー社に統合されて、現在はファイザー社が製造しています。

 

現在はロゲインの特許期限が切れているので、ミノキシジルを成分にしたジェネリック医薬品が各種製造されています。日本では1999年に大正製薬がミノキシジル1%の「リアップ」を販売開始しました。

 

その後ミノキシジル5%の外用薬(ぬり薬)も開発、販売されるようになり、リアップも2009年に「リアップX5」として5%ローションを発売しています。

 

フィナステリドは男性専用の脱毛予防内服薬ですが、ミノキシジルの外用薬は2%溶液までなら女性も使用することができます。

 

もともと高血圧の内服薬だったミノキシジルは、現在も内服薬としても販売されています。ただし日本ではまだ未承認の医薬品で、使用には副作用について充分な注意が必要です。内服薬の方が成分ミノキシジルの吸収率が高いため、育毛の効果が早く現れるという人も多いですが、内服薬は服用量を守ることが大切です。

 

ロゲインやリアップのジェネリック(後発薬)では、半分以下の価格でツゲイン5,10%(男性用)、ツゲイン2%(女性向け)が販売されています。

 

ミノキシジルはなぜ発毛促進の効果があるのか

ミノキシジルはもともと血圧を下げる薬として開発されたもので、毛細血管を拡張する作用があります。この作用が頭皮の血行を促進して毛根の働きを活性化すると考えられています。

 

毛根といわれる毛穴の奥は、「毛乳頭」とそれを包むように取り囲んでいる「毛母細胞」からできています。毛乳頭は血管から栄養分を吸収してそれを毛母細胞に送ります。毛母細胞はその栄養分(おもにケラチンと呼ばれるたんぱく質)をたくわえて細胞分裂を繰り返し、長く太い毛髪をつくります。

 

ミノキシジルは単に毛根周辺の血流を良くするだけでなく、毛乳頭と毛母細胞を活性化する作用があると考えられていますが、その詳しいメカニズムは明かになっていません。ミノキシジルの開発経緯からも分かるように、理屈より先に血圧降下剤の副作用として、髪が濃くなるという結果(効果)の方が明らかになった成分なのです。

 

よく発毛か育毛かといいますが、この2つは別のものではありません。毛周期で成長期が終わって退行期、休止期を経て脱毛すると、毛根に残った毛乳頭は新しい毛を作りはじめます。それが太く大きく成長して初めて、「私たちは毛が生えた」と思います。それが育たないうちにまた休止期を迎えて抜けてしまうことを、「毛が生えない」と言っているのです。

 

ミノキシジルには外用薬と内服薬があります

ミノキシジルは内服薬は高血圧の薬として、外用薬(ぬり薬)は育毛剤として使用されています。最初はもっぱら高血圧の薬として内服されていましたが、発毛(育毛)作用が認められて育毛剤として再開発されるときに外用薬に変わりました。

 

その理由は、内服薬として使用するには医師の処方が必要で副作用にも注意しながら服用しなければいけませんが、外用薬として1〜2%ミノキシジルを配合したものなら一般ドラッグストアなどでの販売が可能だったからです。

 

しかし、本来高血圧の内服薬である「ロニテン」(ファイザー社)は内服タイプの育毛薬としても使われてきたのが実情です。副作用に注意して使用すると、外用タイプよりも効果がおおきいことがあるからです。

 

具体的には、ミノキシジルタブレットのような内服薬の方が、成分が毛細血管に取り込まれやすく、発毛効果が早く現れたり、外用薬より高い効果があらわれる可能性があるということです。

 

「ロテニン」が特許切れになってからは、「ミノキシジルタブレット」、「ロニタブ」などの商品名で、内服タイプのミノキシジルのジェネリック医薬品も登場しました。
ミノキシジルを内服薬として使用するときは、医師の指導に基づいて副作用に充分注意ししながら使用する必要があります。

 

ミノキシジルを使うときの注意点と副作用

ミノキシジルは頭皮にぬる外用タイプと内服薬では注意することが異なります。外用薬は薬局で購入できますが、薬剤師のいる薬局で使用法などの説明を受けて買う必要のある第1類医薬品に指定されています。

 

外用タイプの副作用はぬり薬や薬用ローションなどによく見られる接触性皮膚炎、湿疹、脂漏性皮膚炎です。これはミノキシジルの副作用ではなく溶剤のプロピレングリコールの作用で発症率は5〜8%前後と言われています。

 

脂漏性皮膚炎は、『フケ、かゆみ、抜け毛』の気になる人に見られる頭皮の症状で、真菌のカビが原因です。治療には『ケトコナゾール配合』のニゾラルシャンプーを週に2回使って洗髪することです。

 

まれに動悸、吐き気、胸痛、息切れ、頭痛などが起きるとされていますが、重い症状が出ることはありません。

 

ただし使用は成人に限られています。また女性はミノキシジルの配合量が1%または2%までの商品しか使用できません。

 

内服薬のミノキシジルの副作用には、手足や顔のむくみ、ニキビ、頭痛、皮膚の紅潮などが報告されています。

 

動悸や心拍数が増加することがあるので、心臓に疾患のある人は使用をひかえてください。血圧降下剤を服用中の人も飲むことができません。性機能の低下、毛髪以外の多毛症、体重増加などの副作用も報告されています。

 

ミノキシジル内服薬の服用は成人男性に限られます。

 

私はミノキシジルで発毛しました

ミノキシジルの内服とフィナステリドでようやく確かな効果を実感しています。 - 27歳 会社員

 

大学生活の後半から頭頂部の毛髪のボリュームが少なくなりつつあることを実感していました。社会人になってから散髪屋で髪が薄くなっていることを指摘されて、あるローションの使用とマッサージをすすめられました。

 

かねがね気になっていたことでもあり、すすめられるままにローションを使い毎週マッサージにその散髪屋に通っていました。費用はかなり安くしてもらっていたと思うのですが月に1万円ちょっとはかかっていました。

 

しかし、期間が短いせいもあり効果が実感できないうちに転勤になり、その散髪屋には通えなくなりました。それを機会に自分でいろいろ育毛について調べてみて、まずリアップとフィンペシア(フィナステリド)を使いはじめました。

 

なかなか毛が増える実感はありませんでしたが、脱毛が減ったように思ったので辛抱して使い続けました。結果を確かめるために毎月1回はデジカメで頭頂部の写真も撮るようにしました。

 

育毛を始めてから1年目でやっと写真で見ると少ししっかりした毛髪が増えたように思いました。そこで思い切ってミノキシジルを外用から内服薬に変えてさらに育毛をプッシュすることにしました。

 

いまはフィナステリドを始めてから3年、ミノキシジルの内服に変えてから2年がたちますが、写真で確認するまでもなく鏡でも、手で触った感触でも明らかに毛髪が増えたことが分ります。もちろんこのまま脱毛防止と増毛作戦は続行するつもりです。

 
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