胸焼けの効果的な改善薬をご存じですか?
なぜ胸焼けが起きるの?
胸焼けは、慢性化すると逆流性食道炎と呼ばれる病気になります。日本人の食生活が洋風になって脂こい食事が増えたので逆流性食道炎の患者が増えているといわれます。
脂肪分の多い食事を摂ると胃酸がたくさん分泌されて、食道に逆流しやすくなります。
食べ好きで胃にいっぱい食物がある状態も、胃酸や食物の逆流が起きやすくなります。胃から食道への胃酸の逆流を防いでいる「下部食道括約筋」は肥満や加齢で働きがわるくなり、やはり逆流の原因になります。
妊婦さんも胃が持ち上がるため肥満の場合と同様に逆流動性食道炎になりやすいと言われています。
胃酸の分泌を抑えるプロトンポンプ阻害薬とH2ブロッカー
胸焼け(逆流性食道炎)の治療でまず選択されるのが、胃酸の分泌を抑制するプロトンポンプ阻害薬(PPI)という薬です。プロトンポンプとは胃壁の細胞にあって胃酸を作る働きをしているタンパク質です。
その作用を阻害することで胃酸を抑制します。胃のピロリ菌を除去するときも抗生物質とともにこの薬が使われています。PPIにはオメプラール、タケプロンなどの製品があります。
プロトンポンプ阻害薬よりも胃酸の抑制効果は低いが、その補助として使われることがあるのがH2ブロッカーです。この薬は胃酸を作るときに必要なヒスタミンをブロックすることで胃酸を抑制します。H2ブロッカーにはガスター10、三共Z胃腸薬などがあります。
胃酸を中和する薬
胃酸の分泌を抑制するのではなくて、分泌された胃酸を中和するタイプの薬もあります。それが酸中和剤(制酸剤)で、飲んですぐに胸焼けをおさえる即効性がありますが、効果が服用後1時間前後しか続かないので、ふだんは胃酸の抑制剤を服用して、それでも症状が出たときの頓服として使用されています。
制酸剤には、アルギン酸ナトリウム、炭酸水素ナトリウム(重曹)、炭酸カルシウムなどがあります。
胸やけを起こさないふだんの注意
胸焼けを防ぐには
・脂こいものをたくさん食べない
・ドカ食いを避けて腹八分目を心がける
・食後すぐに横にならない
・肥満しないように気をつける
などがあります。
H2ブロッカーとプロトンポンプ阻害薬の違いは?
胃や消化器官系の疾患の主要な原因は「胃酸の過剰分泌」で、H2ブロッカー(ヒスタミンH2受容体拮抗薬)、プロトンポンプ阻害薬が主に用いられます。
何れも、過剰な胃酸の分泌を抑制して「胸焼け」「胃炎」「胃潰瘍」「十二指腸潰瘍」「逆流性食道炎」などを改善する主要なお薬です。胃酸分泌を抑制する作用が「プロトンポンプ阻害薬」のほうが強く、作用が長く続きます。
また、プロトンポンプ阻害薬は抗生物質と一緒にピロリ菌の除去にも用いられます。