肌のターンオーバーと美肌の関係

ターンオーバーが早まるのはトラブルのとき
正しいスキンケアをするには、肌のターンオーバーについての正しい知識が必要です。ターンオーバーについてもっともよくある誤解は、「ターンオーバーが早くなるのは新陳代謝が活発になっているからで良いことだ」というものです。

 

ターンオーバーは遅くても早くても良くありません。とくにターンオーバーが早くなるのは、肌がダメージを受けてそれを早く修復しようとしているときで、肌が不健康な状態にある証拠です。ターンオーバーが早まると、表皮細胞は角化プロセスを短縮して角質を作ることになるので、バリア機能がじゅうぶんでない角質になります。

表皮細胞は死んで角質になるための細胞

角質は細胞膜だけになった死んだ細胞で、最終的には垢になってはがれていくものですが、死んで中身がなくなり平べったくなっているから役に立つのです。表皮は、下から基底層→有棘層→顆粒層→角質層という層構造になっています。各層はターンオーバーでしだいに表面に押し上げられますが、その過程でタンパク質の細胞膜にじゅうぶんな細胞間脂質を含んでいきます。

 

角質層はこの細胞膜と細胞間脂質が何層にも積み重なったもので、その間に水分を含むことによってバリア機能を果たしています。

 

ターンオーバーは基底層が角質層になるまでに2週間、角質層が垢としてはがれ落ちるまでに2週間の合計4週間が1クールです。

 

この周期が遅くなるのは新陳代謝が低下しているせいで良いことではありませんが、早くなるのも異常事態で決して歓迎できることではありません。

「古い角質をはがす」が間違いの元

ターンオーバーが早くなる理由で多いのが、角質をはがすこと、乾燥させること、紫外線でダメージを与えることです。スクラブ洗顔はもちろん、ゴシゴシこするような乱暴なメイク落としや洗顔をするとすぐに角質のはがしすぎになり、ターンオーバーを早めてしまいます。

 

「古い角質を取る」という言い方がこれまで多くの女性の角質のはがしすぎを招いてきました。古く見える、くすんで乾いた角質は、実は早くなったターンオーバーでできた未熟な角質なのです。

 

角質ははがそうとしなくても時が来れば自然にはがれます。意識すべきなのは古い角質をはがすことではなく、できるだけ角質をはがさないスキンケアをすることです。

TOPへ