乾燥肌、敏感肌の正しいスキンケアは?
角質層の役目は「バリア機能」
乾燥肌も敏感肌も肌の角質層にトラブルが生じてバリア機能が低下している状態です。角質は表皮細胞が細胞核を失った死んだ細胞ですが、いわば死ぬことによって役に立っている細胞です。
死んで細胞膜だけになった角質は、その細胞膜に細胞間脂質を含んでいて、何層にも重なることによってそこに水分を含むことができます。この水分の層が体内からの水分の蒸発を防ぐとともに、外界から体内に異物を入れないバリア層として働いています。
角質層は角質が10〜20層積み重なってできていますが、その厚さは0.01〜0.03mmほどしかありません。しかしこの薄い角質層も水分を含むことによってバリア機能を果たすことができるのです。
トラブルは「乾燥」から始まる
この角質層が乱暴な洗顔などで剥がされて薄くなったり、肌理が乱れたりすると、水分を保つ力が弱くなって乾燥してしまいます。乾燥してバリア機能が弱くなると肌の外から異物が侵入して免疫反応を刺激して炎症を起こしやすい敏感肌になります。
敏感肌を含む多くの肌トラブルは「乾燥」から始まることが多いのです。したがってスキンケアのもっとも重要な目的は、角質層を整えて水分保持能力を高め、バリア機能を強化することです。
乾燥肌になったら?
すでに乾燥肌の兆候が出ている場合のケアは、保湿力の高いヒルドイドクリームなどで注意深く保湿をして角質層の回復を待つことです。このとき、角質をはがすような乱暴な洗顔をしていたのではいくら待っても角質層は回復しません。
保湿は、化粧水で水分を与えるだけでなく、水分が蒸散してしまわないように乳液やヒルドイドクリームなどで表面をコーティングしてやることが大切です。紫外線のダメージは肌の乾燥を進行させるので、UVケアもぬかりなく行なわなければなりません。
すでに敏感肌の兆候が出ていたら?
肌の乾燥が進んで、痒み、赤みなどすでに敏感肌の症状が出ているときは、石けんや化粧品に対しても免疫反応が作動して炎症を起こす可能性があるので、炎症が治まって角質層が回復するまで、なるべく刺激を与えないという方針でスキンケアする必要があります。
石けんを使ってヒリヒリするようなら、しばらく石けん洗顔をやめてぬるま湯だけで洗顔する必要があります。敏感さの程度によっては化粧水や乳液が刺激になることがあるので、ワセリンだけで保湿する必要があるかもしれません。
炎症が出ている部分はステロイド外用薬をぬって早く炎症を抑えることも必要です。乾燥肌も敏感肌も角質層が整っていないことが根本原因であることを自覚して、角質を大切にするケアを心がけましょう。