多汗症とは
多汗症とは、非常に多くの汗をかく症状です。多汗症の症状があらわれやすい部分は、「手のひら」、「足の裏」、「脇の下」、「頭部」や「顔」です。
特に悩んでいる男女が多い多汗症が、脇(ワキ汗)と手のひらです。
脇の下の多汗症は衣類に大きなワキ汗のしみになるため目立ちやすく、人前に出るのが億劫になってしまいます。
手のひらの多汗症は、発汗のレベルにより症状の度合いが異なり、重症の場合は手から汗が滴り落ちるほどで、衣類から触るもの全てが濡れてしまいます。
まず、多汗症について理解すべきことは、多汗症は「体の疾患」で、過度の緊張や神経症など「心の疾患」ではないということです。
緊張で手に汗握る、という表現などで誤解されることが多いのが多汗症で、緊張を緩和したり緊張しなくなれば多汗症が改善するというのは誤解です。
多汗症は緊張やあがり症、ただの汗っかきではなく、お薬で治療する身体の疾患なのです。
多汗症の原因は?
ワキの下、手のひら、足裏、頭部、顔の多汗症の原因は交感神経の働きです。自律神経の一つが交感神経ですが、この神経が過剰に働くことで多汗症の原因になります。
多汗症の治療薬は?
過剰な発汗を抑える作用がある成分の一つが「臭化プロパンテリン」で、商品名は「プロバンサイン」が有名です。
プロバンサインは、手や足裏、ワキの下、頭部、顔など、全身の多汗症に効果を発揮します。副交感神経の刺激を緩和するため「抗コリン剤」と呼ばれ、自律神経の遮断作用により「多汗症」や「夜尿症」を改善する治療薬です。
また、「ワキの下」専用の制汗剤ではパースピレックスロールが有名で、ひと塗りで3〜5日間ワキ汗を抑制します。
手のひらの多汗症の症状
手のひらに過剰な汗をかく多汗症に悩む男女は多く、日常生活に影響を与えることが多いタイプの多汗症です。
手のひらの多汗症の症状の度合いを視覚的に示すと上の図のようになります。
多汗症とは全く逆の「乾燥肌」の方も多く、「軽度の多汗症」の場合は手が湿りがちなことが多く、軽度では多汗症と診断されないことが多く、日々の生活でも特に支障を感じることは無いでしょう。
「中度の多汗症」になると普段から定期的に手汗で手が濡れた状態で、常日ごろからハンカチやタオルを常備する方が多いでしょう。このレベルの多汗症になると日常生活に支障をきたし、握手が億劫になったり、物を触ると濡れてしまうという不安が付きまといます。
「重度の多汗症」では汗が滴り落ちたり、手を振ると手汗が飛び散るレベルになり、周りからも明らかに多汗症と認識されるレベルです。重度の多汗症になると常にハンドタオルを持ち歩く必要があり、社会生活に大きな影響を与えてしまいます。