家族のうつ病のサインを見逃さないために
2週間以上こんなようすが続いたらうつ病かも
夫や子どもがうつ病になると、家にいるときのようすがそれ以前とは大きく変わります。次のような言動が2週間以上続くようならうつ病を疑う必要があります。
・以前よりご飯を食べなくなった。
・口数が減り、冗談を言わなくなった。
・ため息が多く、「オレはダメな男だ」などと自己否定的なことを言う。
・好きだった趣味にあまり関心を示さなくなる。外出が減り、週末も家にいる。
・夜、眠れていないようだ。
・会社や学校を止めたいと口にする。
・死にたいと漏らすことがある。
こんなようすが見えると心配になるので、仕事で疲れているのだろうとか、試験前だからとか、合理的な理由を探して不安をまぎらわそうとしがちです。
しかし、それで自分を納得させてしまうと、家族が発信しているうつ病のサインを見逃してしまうことになります。
まず、家ではのんびり休めるようにしてあげよう
しかし、心配だからといって「どうしたの?」と問い詰めるのは良くありません。どうしてこんなに気分が落ち込んで、考え方がマイナーになるのか、本人がいちばんその理由が分らずに不安を感じているからです。
うつ病を発症すると、会社や学校は患者にとってはとても厳しい環境になり、家庭がせめてもの安息の場になります。家族がうつ病かなと思ったら、家ではできるだけリラックスできるようにしてあげるのが、まず大切なことです。
気分転換のイベントなどを企画しない
パーティや旅行などを企画して気分転換をしたら気が晴れるだろうというのは、大きな間違いです。うつ病は、朝ベッドから起き上がるのも元気をふりしぼらなくてはいけない病気です。うつ病の人にとって「イベント」ほどうとましく、疲れるものはないのです。
向こうから何か話しかけてきたら、先回りして結論めいたことを言ったり、アドバイスしたりせずに、とにかく「ゆっくり聴く態度」が大切です。「思い過ごしよ」とか「そんなことないって」というような否定的な言葉や評価・批評する言葉は胸にしまって、本人がそう感じているという事実をまず肯定的に受け入れてあげましょう。
会社を辞めるなどの重大な決定をしない
しかし、会社を辞めたいとか学校を辞めたいと言い出したときは、肯定的に受け止めてはいられません。うつ病のときには、そういう重大な決定は避けなければいけません。「そんなことを言わないで頑張って!」と励ますのはいけませんが、それもいいかもしれないけれど急ぐ必要はないと言って結論を先延ばしにしましょう。
出来るだけ先延ばししたくないのが治療の開始です。うつ病のときはなかなか一人で病院に行く決心もつきにくいので「いっしょに行こう」という一言が効果的なことがあります。