メタボリックシンドロームになる7つの習慣
約4万人の7年分の健康診断データを調べて分かったこと
大分大学の井谷修准教授は2015年7月に日本睡眠学会で、メタボリックシンドロームの発症リスクが高くなる生活習慣について発表しました。これは地方公共団体に勤める19歳から65歳の男性3万9000人の7年分の健康診断と問診の結果を解析した研究です。
この研究の結果、メタボを発症しやすい生活習慣には次の7つがあることがわかりました。
〈1〉 睡眠時間が5時間未満
〈2〉 交代制勤務をしている
〈3〉 休日が取れない
〈4〉 いつもおなかいっぱい食べる
〈5〉 あまり歩かない
〈6〉 アルコールを1日日本酒3合以上飲む
〈7〉 たばこを吸う
危険因子が6つ以上あればリスクは2倍に
メタボを発症する確率はこれらの生活習慣を重ねて持っている人ほど高くなり、0〜1個の人に比べ2〜3個は1・22倍、4〜5個は1・42倍、6個以上では2・04倍になるといいます。
睡眠時間が短いと肥満遺伝子が活性化することはよく知られるようになってきましたが、そのほかに睡眠不足は夜間血糖値を上昇させて糖尿病のリスクを高くすることも分っています。
交代勤務でメタボになりやすいのは何故?
交代勤務の人にメタボのリスクが高くなるのも、睡眠の時間帯の変化に睡眠のリズムが対応しきれず、質の良い睡眠がとりにくいせいです。夜勤明けに食事をしてすぐ眠るなど、食事と睡眠のインターバルを取りにくいのも肥満の原因になっています。
普段から寝つきが悪い、途中で目が覚める、起床時に疲れが残る、不眠症だという方は睡眠ホルモンのメラトニン補充で睡眠サイクルの改善、睡眠の質を改善できます。『いびき』や『無呼吸症候群』などで知らず知らずに睡眠の質が下がっている場合は、睡眠中に気道の緩みを改善して呼吸やいびきの改善が可能な『スノアイーズ』もおすすめです。
休日が取れないとメタボのリスクが高くなるのは、慢性的な疲労がストレスとなって脳の働きを低下させるのが1つの原因と考えられます。脳にこのような持続的なストレスが加わると、満腹中枢に異常がでて過食してしまったり、炭水化物に対する欲求が異常に高まったりすることがあります。
お酒・たばことメタボの関係
アルコールの摂取量が多くなるとメタボのリスクが高くなるのは、それによって肝臓で作られる中性脂肪の量が増えて、脂肪肝や高脂血症になりやすいからです。お酒のおつまみに塩分や脂肪分の高いものが多いのも関係しています。
喫煙もメタボのリスクを高めます。その理由は@喫煙はインスリン抵抗性を高めるので糖尿病のリスクが高まるA喫煙による活性酸素の発生で血管内皮が傷つき動脈硬化が進むB喫煙によって発生する一酸化炭素がヘモグロビンと結びつき血液をドロドロにする、などです。
タバコを吸う方のメタボのリスクは、喫煙本数によって吸わない方の1.37倍〜3.4倍に高まるという報告がありますので、ヘビースモーカー、長期的な喫煙者の方は禁煙補助薬などのサポートで禁煙がすすめられます。