砂糖の取り過ぎじゃありませんか?肥満 高血糖値
精製された砂糖はある意味で「薬品」です
砂糖の摂りすぎに注意しようというのは、何によらず食べすぎは身体に良くないということとは少し意味が違います。というのは、精製された砂糖は「食品」と言うよりは「薬品」に近いものだからです。ブドウ糖の点滴がありますが、白砂糖を水に溶かしたものはほとんどブドウ糖と変わりがありません。消化器官に入ると他のどんな栄養素よりも素早く消化されて、ブドウ糖として血液中に取り込まれます。
いまでこそ砂糖は高価な食品ではありませんが、昔はたいへんなぜいたく品で庶民の口には中々入りませんでした。というより、砂糖の精製技術ができたのは人類の進化の歴史から見るとごく最近のことで、私たちの身体は食べてすぐブドウ糖になる、つまり急に血糖値をあげる食品に慣れていません。
わたしたちのDNAは精製された砂糖に慣れていない
ブドウ糖が血液に取り込まれるのは、それを細胞の活動エネルギーとして全身に送り届けるためですが、ブドウ糖のままでは「燃料」として使えません。そのために必要なのが膵臓から分泌されるインスリンというホルモンです。
砂糖のように急激に血糖値が上がる食品(そのほかに白米、白いパン、うどんなどがあります)を食べると、それだけ大量のインスリンが必要になります。しかし、私たちのDNAは毎日大量のインスリンを生産することに慣れていないので、血糖値が急上昇するような食生活を長年続けていると膵臓が疲れてインスリンの分泌がわるくなることがあります。これが生活習慣からくる2型糖尿病です。
また、砂糖や白ご飯のような「消化の良い糖質」はもっとも体脂肪になりやすい食品でもあります。細胞のエネルギーが一時に供給されても使いきれないので、体内に蓄えようとするからです。これは飢餓の時代を経験してきた私たちのDNA獲得した能力ですが、現代のような飽食の時代ではそれが肥満の原因になっています。
さらに、肥満するとインスリンは分泌されてもその効き目がわるくなる「インスリン抵抗」がでてきます。インスリン不足やインスリン抵抗の増大でいつも血糖値の高い状態が続くのが糖尿病です。この高血糖状態は血管の内皮を傷つけて動脈硬化を加速する原因になります。その結果、男性の場合、まず症状として現れるのがED(勃起不全)です。
糖質には依存性がある点も薬に似ている
精製された糖質が薬に似ているというのは、糖質依存症という依存傾向が出てくることからも言えます。お菓子やご飯、パンなどの糖質食品は食べると脳から幸福感を感じるドーパミンやエンドルフィンという快感物質が放出されます。
この快感には依存性があり、糖質が切れるとイライラする、怒りやすくなるなどの禁断症状が出てくるようになります。これが糖質依存症です。