炭水化物依存症に要注意!大丈夫ですか?
働く人がランチに選ぶのは炭水化物の単品が多い
食に関する健康情報を発信している「脂肪と糖の研究室」は2015年1月に行った「働く人のランチ習慣実態調査」の結果を発表しました。これは20から50代の働く男女1000人にランチの内容などを聞いたものです。
それによると、サラリーマンやOLのランチが炭水化物にかたよった食事であることが晃になりました。「ランチで食べることの多いメニューは?」という質問には41.9%の人が、丼、ラーメン、パスタ、うどんなどの単品メニューをあげ、おにぎり(16.3%)、パン(12.4%)を挙げた人も多くいました。これに対して比較的栄養バランスの良いと思われる定食を挙げた人は15.5%にとどまりました。
男性の4割以上が「粉もの定食好き」で「おかわり自由」をよく利用
また、ラーメンとライスなど主食×主食のメニューをよく食べる、またはたまに食べると答えた人は、男性では43.4%、女性でも32.9%いました。さらに、ごはんの「大盛り無料」「おかわり自由」などのサービスを利用するかという問いには、よく利用するまたはたまに利用すると答えた人が、男性では44.9%、女性では21.0%いました。
このようなメニューについての本人意識を問うと、30.4%が「完全に依存している」、34.8%が「少し依存している」と回答しました。依存していると思う理由については、
・いつも無意識に食べている
・抜くとイライラする
・ご飯、麺など必ずないとおかずが食べられない
・炭水化物を食べないとお腹が気持ち悪くなる
・無性にラーメンが食べたくなるし、飲んだ後の〆は必ず食べる
・ごはんを食べるときはたくさんおかわりしないと満足できないから
・自分の食べるもののほとんどが炭水化物である気がするため
などの回答がありました。知らずに炭水化物や糖質をたくさん摂取している男女は、血糖値の上昇、インスリンの大量分泌を繰り返し、肝臓への負担も多いことを認識しましょう。
炭水化物がもっとも太りやすいということを知らない人が半数以上
この調査で注目されるのは、「炭水化物に糖質が多く含まれていることを知っていますか?」という質問に53.1%が知らないと答えていることです。「糖質・炭水化物」は栄養素としては脂質やタンパク質に対して1つのジャンルに入れられるもので、食後にブドウ糖として血液中に取りいれられ、エネルギーや中性脂肪の材料になるものです。
炭水化物を多く食べると、エネルギーとして消費されなかった分は中性脂肪になり、内臓脂肪や皮下脂肪として蓄えられます。消化の早い炭水化物は脂肪の多い食品よりも体脂肪になりやすいのです。また、炭水化物は食後、急激に血糖値をあげるのでインスリンが大量に必要になります。そういう食事習慣を続けるとインスリンを分泌する膵臓が疲労して糖尿病になるリスクが高くなります。
最近話題の「食べる順番ダイエット」は野菜を先に食べて炭水化物はその後にして、血糖値の急激な上昇を防ぐことで太るのを防ぐというダイエット法です。同じものを同じ量食べても順番を変えることで、炭水化物が脂肪になるのを減らすことができるのです。
ランチに炭水化物のメニューを選び、さらには「大盛り」や「おかわり」のサービスを安易に利用するのは「炭水化物→脂肪」のメカニズムをよく知らないせいだとも言えそうです。
ランチで炭水化物とそれ以外が別けられたセットを頼む場合は、食べる順を意識して野菜やタンパク質系から食べてみましょう。最後に炭水化物をもっていくことで、血糖値を上げずにカロリー摂取ができるだけでなく、ある程度満腹に近い状態で炭水化物にたどり着けるため、炭水化物を全部食べずに残してランチを終えることも可能かもしれません。