更年期障害の三大症状

何の理由もなく突然大量の汗をかくのは、更年期障害によくある症状です。不定愁訴などと言われるくらいさまざまな症状がある更年期障害ですが、もっともよくあるのが突然の発汗、顔のほてり、のぼせの三症状です。これらを合わせてホットフラッシュともいいます。

 

このほか身体に出る症状で多いのが、肩こり、手足の冷え、めまいなどです。精神面に現れる症状としては、憂うつ、不眠、イライラ、集中力の不足などがあります。このような症状は卵巣の活動が終息に近づく45〜55歳におきますが、その程度や期間は個人差があります。

 

水道の蛇口を締めるようなホルモンの急な低下

卵巣から分泌される女性ホルモンのエストロゲンとプロゲステロンは、おもに妊娠・出産に関わるホルモンですが、それ以外にも髪の寿命をのばすとか、肌のつやを保つとかいう「女性らしさ」に関係するさまざまな作用をしています。

 

それにもかかわらず、閉経にともなって女性ホルモンは、いわば水道の蛇口を締めるように急激に低下します。その変化に身体が追いつかず自律神経の失調が生じるのが更年期障害です。

 

対症療法では治りません

更年期障害は閉経後、身体がホルモンの変化に慣れるにしたがって治まりますが、長い人では5年以上もつらい症状が続くので、そのうち治るだろうではすみません。まず大切なことは、さまざまな症状を個別に治そうとして対症療法の薬をあれこれ飲んだりしないことです。一時的な効果はあるかもしれませんが症状はまたでてきくるので、薬物の多用による害の心配もあります。

 

頭が痛いなどの個別の症状を訴えて病院を受診しても、別にどこも悪くありませんと言われることが少なくないのが更年期障害です。病院に行くとしたら婦人科が適当です。さまざまな症状の原因が更年期障害であることが分るだけでも1つの安心材料になります。

 

効果的なホルモン療法

更年期障害の治療で有効なのは急激に低下した女性ホルモンを補充するホルモン補充療法です。ホルモン療法には外用薬では肌に貼ってエストロゲンを吸収する薬があり、内服薬ではプレマリンなどの飲み薬があります。

 

更年期障害は、つらいときには家事や仕事をムリして完璧にこなそうとしないで、適当に休むことが大切です。また、家族とくに夫がこの病気理解を示して協力することが、女性の心身を楽にするうえでとても重要になります。

 
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