女性の性周期を知ろう!
女性の性周期について
初潮の平均年齢は12歳で、閉経の平均年齢は50歳と言われています。女性は40年ちかく性周期によるホルモンバランスの変化と付き合っていかなければならないわけです。
卵巣が成熟して性周期がスタートすると、卵胞ホルモン(エストロゲン)と黄体ホルモン(プロゲステロン)という2つの女性ホルモンが時期をずらして分泌され、「卵胞期」→「黄体期」→「月経期」というリズムが形成され、正確に繰り返されることになります。
これは排卵と子宮内膜の成長という妊娠準備のためのリズムで、多くの女性は28日周期でこのリズムを形成します。
しかしこのホルモンバランスの変化は、自律神経に影響を与えて心身のさまざまな変化や不調をもたらすことがあり、女性のQOL(クオリティオブライフ)に大きな影響を与えています。
思春期から更年期までの長い人生を幸せに過ごすためにも、このような女性特有の生理について正しい知識をもち、起こりうるトラブルに適切に対応していくことが大切です。
月経と排卵日
左右の卵巣のどちらかから毎月1個の排卵があります。左右の卵巣が1か月おきに交互に排卵すると思っている人が多いのですが、それは誤解です。
毎月両方の卵巣が排卵の候補になる原始卵胞を育てて、最終的にトップスター1個が受精というひのき舞台に向かって排卵されるのです。それがどちらの卵巣かはあらかじめ決まっているわけではありません。
まれに左右の卵巣から1個ずつ、2個の卵子が排卵されることもあります。片方の卵巣から2個排卵されることもあります。不妊治療で排卵誘発剤を使用していると3個以上排卵することもあります。
卵巣で卵胞が成長していると同時に、子宮では受精卵が着床するベッドとなる子宮内膜が成長しています。卵子が受精しないと用意されたベッドも不要になるので、翌月に新しいベッドを用意するために古い子宮内膜ははがれて排出されます。これが月経です。
排卵日から月経初日までは、28日周期の人で14日間あります。もっとも妊娠しやすい日は排卵日の3日前〜排卵後1日の間と言われています。妊娠可能な日、つまり避妊にとっての危険日は排卵の10日前からになります。これは精子の女性の体内での寿命が最大10日間と考えられているからです。
黄体ホルモンと卵胞ホルモン
女性ホルモンには卵胞ホルモン(エストロゲン)と黄体ホルモン(プロゲステロン)の2種類があります。脳が出す性腺刺激ホルモンによって、卵巣がこの2つのホルモンを分泌します。
生理周期の前半には卵胞ホルモンが活発に分泌されて排卵が生じ、その後は黄体ホルモンが活発に分泌されて受精卵のベッドとなる子宮内膜が準備されます。受精されなかった場合は黄体ホルモンの分泌が低下して、それを合図に月経がはじまります。
女性の生理周期はこのようにホルモンの分泌量によって、卵胞期―排卵期―黄体期―月経というリズムが刻まれます。女性は毎朝基礎体温を計っていると、その変化によって排卵日を推定することができます。
低温期から高温期に移行したときに排卵が行われるからです。黄体期のあいだは高温相が続いて、低温期に移行するとともに月経がはじまります。
卵胞期、黄体期と女性の体調
卵胞ホルモン(エストロゲン)は、卵胞を育てて子宮内膜を厚くするほかに、基礎体温を下げる、女性らしい丸みをおびた体つきを作るなどの働きをしています。
卵胞ホルモンが多く分泌する月経後の卵胞期は、心身の状態が比較的安定して体調が良くなることが多いときです。お肌の調子も良くなります。
黄体ホルモン(プロゲステロン)は、子宮内膜を充実させて受精卵が着床しやすいように準備を整える働きをします。基礎体温を上げる、身体の水分を保つ、食欲を増進する、などの作用もあります。
黄体ホルモンが多く分泌される月経前の黄体期は、女性が精神的に不安定になったり、ニキビができたりなどのトラブルが増える時期です。
2つの女性ホルモンのもっとも大切な働きをそれぞれ1つだけあげるとしたら、卵胞ホルモンは「女性らしい身体をつくる」ことで、黄体ホルモンは「妊娠を維持して胎児を育てる」ことです。