ストレス性のEDはどう治療するの?
心因性(ストレス性)のEDを治療するには、ストレスを解消して心にのしかかっている重圧を排除するのが正攻法のように思えますが、実際にはなかなか困難な方法です。
まず何がストレス因になっているかははっきりしないことがほとんどです。また、例えば会社での仕事の負担が大きなストレスになっている人でも、それだけがストレスとは限りません。夫婦間のトラブルやこどもの進学や就職の悩みも加わっているかもしれないのです。
たとえストレスの原因に見当がついても、それはおそらく簡単には解消できないものばかりだと思います。昇進とか結婚というおめでたいこともストレスになるのですから「ストレス解消」というのは案外役に立たない考え方とも言えます。
さらに、心因性のEDといっても、生活習慣病などの身体的な要因もそこに加わっている可能性もあります。EDに関しては、原因を追究して対処するという方法の有効性が限られているのです。
しかし、EDの治療で希望が持てるのは、非常によく効く薬があるということです。それがバイアグラなどの「PDE5阻害薬」です。心因性のEDはもちろん、器質性のEDでもよほど重症の血管障害や神経障害がある場合を除いて、劇的な効果を示すのがこの薬です。
服用の注意さえ守れば副作用も少なく安全な薬なので、あれこれ悩む必要はありません。飲んでみるときっと、この薬がまだ世に現れなかった十数年前の男性は大変だったなあと思うことでしょう。
若年性EDってなに?
20代、30代のEDが増えているといいます。これは統計的なデータというより、泌尿器科の医師などの現場の人間の感触のようです。その原因として指摘されているのは、次のようなことです。
若者にストレスの多い社会
非正規雇用が増えて、若年層の貧困化が進んでいるといわれています。バブルの崩壊からリーマンショックまで20年以上も景気が低迷して、就職難も続いています。これから社会生活や家庭生活を築いていこうとしている若者にはたいへんストレスの大きい状況が続いてきたのです。
インターネット社会
1日中パソコンに向き合っている仕事の人はEDになりやすいという報告があります。また、インターネットのバーチャルな世界で遊ぶばかりで、現実の女性との付き合いが希薄な男性が増えたとも言われています。
?若者はコンプレックスの悪循環にはまりやすい
若者は経験が少ない分、あまり根拠のないコンプレックスやいちどの失敗が尾を引きがちです。また上手くいかないのではないか、という心配がストレスとなって悪循環にはまりやすいのです。
この他ジャンクフードの食べすぎなどを指摘する人もいますが、若年性のEDのほとんどは心因性のものです。
こじらせるとやっかいな反面、成功体験が自信になって症状が消えてしまうことも期待できます。
バイアグラなどのED治療薬を1回使ってみることで悩みが雲散霧消することもあるのです。
「できれば薬を使わずになんとかしたい」というのは、EDに関しては深みにはまる心配が大きい拙策と言わざるをえません。