中年男性を悩ます排尿障害とEDの関係は

中高年になると必ずやってくるのが「小便の切れの悪さ」
俗に「小便の切れが悪くなる」と言われる排尿障害は、男性なら誰でも40代を過ぎるころから現れてきます。最初は排尿の終わりがスッキリせず、何回かきばる必要が出てくることで切れのわるさを実感します。50代、60代になってくると、排尿の最初も出しぶるようになり、尿の勢いが弱くなって排尿に時間がかかるようになります。

 

そのほかに、排尿障害には次のような症状があります。

 

残尿感がある
急に尿意がしてガマン出来ない感じがする(尿意切迫感)
トイレが近い(頻尿)
夜間にトイレに行かないといけない(夜間頻尿)
尿がまったく出なくなる(閉尿)

 

このような排尿障害の原因は前立腺の肥大です。前立腺は膀胱のすぐ下にある男性特有の臓器で、中央に尿道が通っています。前立腺が肥大すると尿道が圧迫されて出にくくなるのです。なぜ前立腺のまん中に尿道が通っているかというと、精液に前立腺で作られる前立腺液を供給するためです。そんなことを言っても仕方ありませんが、尿だけでなく精液も尿道を通るというのが問題の始まりです。

 

排尿障害と年齢的に重なるのがED症状

前立腺の肥大は50代で30%、60代で60%、80代では90%と、症状の重さは個人差がありますが、加齢によってほぼすべての男性にみられます。EDはこれほど多くはありませんが、やはり加齢によって増加する症状です。つまり小便の切れの悪さを感じるようになった頃から、勃起の硬さに若いころの勢いを感じられなくなることも多くなるのです。

 

このように年齢的に重なることが多いので、一見排尿障害がEDの原因のようにも思えるのですか、EDの原因にはいろいろあるので即断はできません。EDにはストレスなどによる心因性EDと動脈硬化などによる器質性EDがありますが、前立腺肥大による排尿障害(医学的には下部尿路障害といいます)は器質性EDの原因の1つです。

 

じつは下部尿路障害が具体的にどうEDと関わっているのかははっきりしていません。骨盤内に局所的な貧血が起きるせいだという説もあります。排尿障害がストレスになっているからという、心因性と器質性の中間のような原因説もあります。たしかに、中高年のEDは原因が1つというケースはむしろめずらしく、複数の要因が重なっていることがほとんどです。

 

シアリスは前立腺肥大にもEDにも効果がある?

しかし、前立腺の治療によってEDの症状も改善することが多いので、両者に関係があることは確かです。これに関係して興味深いのは、ED治療薬の1つのタダラフィル(商品名はシアリス)が最近前立腺肥大の治療薬(ザルティア)として日本でも承認されたことです。セックスの前に服用するED治療薬と違って毎日服用し、健康保険も適用されます。

 

これはEDと前立腺肥大症を併発している人にとっては大きなメリットで、健康保険で前立腺の治療をするとEDもある程度は改善できる可能性があります。しかし、ザルティアは成分タダラフィルの配合量が非常に少ないため、前立腺肥大症には効果があってもシアリスやシアリスのジェネリックほどの勃起効果は期待できません。

 

前立腺肥大症の特効薬は?

ご使用の男性もいらっしゃるかもしれませんが、前立腺肥大症の治療薬として最も有名なお薬がハルナール(フロマックス)です。

 
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