睡眠をつかさどるメラトニンを増やすには?

メラトニンは睡眠ホルモンとも呼ばれ、体内時計に働きかけて身体を覚醒モードから睡眠モードに切り替える働きをしています。私たちは夜になってメラトニンが分泌されることによって、心拍数が減り、脳の体温が下がって、自然な眠りに誘われます。

 

メラトニンと対をなすのが覚醒ホルモンと呼ばれるセロトニンです。セロトニンは朝に太陽の光を浴びることで分泌が活性化し、私たちを昼の活動モードに導きます。メラトニンはこのセロトニンから作られるので、昼にたくさんセロトニンを分泌させることが、夜にメラトニンの分泌を増やすことにつながります。

 

メラトニンの分泌を増やし、上質な睡眠をとるためには次のようなことが大切です。

 

朝日を浴びて目覚める

体内時計をリセットするには、朝の光が必要です。それによって覚醒ホルモンのセロトニンの分泌が盛んになり、それが夜のメラトニンの量を増やすことにつながります。

 

昼は元気に活動する

昼は元気に活動してさらにセロトニンを活性化するとともに、ある程度疲労することが夜の睡眠を深くします。

 

夜は明るい光を浴びない

起きてから十数時間たって暗くなってくると、昼間分泌されていたセロトニンを材料にしてメラトニンが作られて分泌されます。しかし、そのころに人工的な強い光を浴びているとメラトニンの生成が邪魔されます。

 

電気が発明されて夜も真昼のように明るくなったのは、人類の進化かからみるとほんの最近の出来事で、私たちの体内時計は「明るい夜」に慣れていません。

 

刺激的な活動をさけてリラックスする

昼の活発な活動を夜はトーンダウンすることも大切です。テレビ、インターネット、ゲームなどで神経を興奮させると、メラトニンの分泌がさまたげられます。アフターファイブの楽しみをすべてやめる必要はありませんが、刺激の多いことはなるべく早い時間に切り上げて、自然にアクビが出てくるような「退屈な時間」を持つことも必要です。

 

早めに布団に入る

眠気に逆らわずに早めに布団に入るようにしましょう。お風呂に入って温まった体が冷えてくるころも、すんなり入眠できる良いタイミングです。

 

タンパク質を摂取する

メラトニンもセロトニンもトリプトファンというタンパク質から作られます。トリプトファンは必須アミノ酸の1つで、体内では合成されないアミノ酸なので食物から摂取する必要があります。

 

トリプトファンは肉、魚、大豆などのタンパク質食品に広く含まれているので、普通に食事をしていれば不足することはありません。ただし極端なダイエットや偏食でタンパク質の摂取が減ると不足する場合があります。

 
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